この記事を書いた人

「日本泌尿器科学会泌尿器科 専門医」の資格を持ち、医師として約8年医療現場に立つ。
特に感染症、排尿障害、尿路結石、がん診療を得意としている。
2026年6月に我孫子でクリニックを開業予定。

血尿とは?

血尿(けつにょう)とは、尿の中に血液が混ざっている状態をいいます。目で見てわかる「肉眼的血尿」と、検査でのみ確認される「顕微鏡的血尿」があります。
肉眼的血尿は、尿が赤色・茶色・ピンク色に見える状態で、多くの方が驚いて受診されます。一方、顕微鏡的血尿は自覚症状がないため、健康診断や人間ドックの尿検査で初めて指摘されることが少なくありません。

血尿は一時的に出て自然に治まることもあったり、「痛みがないから大丈夫」と様子をみてしまうことも多いです。実は泌尿器系の病気のサインであることもあります。早めの受診と正確な検査が重要です。

血尿の原因

① 尿路の病気  

多くの原因はやはり尿の通り道(尿路)から出血することでおこりえます。泌尿器科では特にこの原因がないか調べることが多いです。

  • 腎炎(IgA腎症、急性糸球体腎炎など)
  • 癌を含む腫瘍(腎臓、膀胱、尿管など)
  • 細菌による感染症(腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎など)
  • 尿路結石
  • 外傷による損傷

などがあげられます

② その他

腎臓に向かう血管の異常、高血圧での腎障害、膠原病などの全身性の病気も原因になります。

その他、薬剤性(血液サラサラの薬など)、激しい運動、発熱や脱水などで一時的な血尿が出ることがあります。

女性は尿道と膣が近いため、どちらからの出血かを区別することが難しいことがあります。女性の血尿の原因には、泌尿器の病気以外にも、婦人科的な要因が関係していることがあり、婦人科と泌尿器科の両方の受診が必要になるケースもあります。

男性の場合は、前立腺という臓器が尿の通り道(膀胱の下)にあります。

前立腺肥大症や、前立腺癌での出血も可能性があります。前立腺の病気は加齢とともに増えてくると言われています。

血尿の検査

血尿の性状(肉眼的か顕微鏡的か)、頻度、痛みの有無、発症時期、既往歴(腎疾患、泌尿器疾患、薬剤使用歴など)  などで行う検査は変わってきますが、主に以下の検査を検討します。

まずは尿検査、血液検査、超音波検査などを行い、原因を探ります。

血尿が強かったり、膀胱・尿道の病気の可能性が考えられる場合は、膀胱のカメラ検査(膀胱鏡検査)を検討します。

すぐに原因が特定できないことも多く、その他にCT検査やMRI検査を組み合わせることがあります。