夜間多尿

夜間多尿とは?

夜間多尿とは、夜間に作られる尿の量が病的に増える状態で、夜間頻尿の大きな原因の一つです。

「膀胱が小さい」のではなく、「夜間に尿が作られすぎている」ことが問題になります。

加齢とともに増加し、睡眠の質や生活の質(QOL)に大きく影響することがあります。

夜間頻尿との違い

夜間頻尿は「夜中に排尿のため起きる症状」の全体を指します。

その原因として、

  • 夜間多尿
  • 過活動膀胱
  • 前立腺肥大症
  • 睡眠障害

など、さまざまな病気があります。

夜間多尿の診断

夜間に何度もトイレに起きることが主な症状です。

一般的には

  • 1回以上:夜間頻尿
  • 2回以上:生活への影響が大きい とされています。

高齢者では「夜間尿量が1日尿量の約3分の1以上」を占める場合に夜間多尿と考えられます。

診断には「排尿日誌」が非常に重要です。

排尿日誌について

排尿回数、1回の尿量、夜間尿量、1日全体の尿量

などを数日間記録します。

これにより

  • 夜間に尿が作られすぎているのか
  • 膀胱容量が小さいのか
  • 1日全体の尿量が多いのか

などを評価することができます。

夜間多尿の原因

加齢

加齢により、夜間の尿量を減らす抗利尿ホルモン(AVP)の分泌リズムが低下することがあります。

水分、カフェイン、アルコール摂取

夕方以降の水分・アルコール・カフェイン摂取によって、夜間尿量が増えることがあります。

むくみ(下肢浮腫)

日中に足にたまった水分が、夜横になることで体内に戻り、尿として排泄されることがあります。

心不全や静脈うっ滞などでもみられます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠中の低酸素状態によって、尿量を増やすホルモンが分泌され、夜間尿量が増えることがあります。

いびきや無呼吸を指摘されている方では注意が必要です。

糖尿病・腎機能低下

血糖上昇や尿濃縮力低下により、尿量そのものが増えることがあります。

夜間多尿の検査

原因を評価するため、以下のような検査を行います。

問診・排尿日誌

夜間尿量や1日尿量を評価します。

尿検査

糖尿病や尿路感染症などの有無を確認します。

血液検査

腎機能、血糖値、ナトリウム値などを確認します。

必要に応じて、心不全評価の採血を行うこともあります。

腹部超音波検査(エコー)

残尿量や前立腺肥大症の有無などを確認します。

睡眠時無呼吸症候群の評価

必要に応じて、睡眠検査を検討することがあります。

夜間多尿の治療

原因に応じて治療を行います。

生活習慣の改善

夜間多尿では、まず生活習慣の調整が重要です。

  • 夕方以降の水分摂取を控える
  • アルコール・カフェインを減らす
  • 就寝前の排尿を習慣化する
  • 夕方に足を上げる
  • 軽い運動を行う

などが有効なことがあります。

むくみ対策

弾性ストッキングの使用や、日中の下肢挙上が有効な場合があります。

原因疾患の治療

  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 糖尿病
  • 心不全

などが原因の場合には、その治療を行います。

薬物療法

症状によっては、夜間尿量を減らす薬を使用することがあります。

ただし、低ナトリウム血症などの副作用に注意が必要なため、採血を含めた慎重な管理が重要です。

また、むくみが強い場合には、利尿薬の内服タイミングを調整することもあります。

まとめ

夜間多尿は、夜間に作られる尿量が増えることで起こる排尿障害です。

加齢だけでなく、睡眠時無呼吸症候群や心不全、糖尿病などが関与していることもあります。

診断には排尿日誌が重要であり、生活習慣の改善や原因疾患の治療によって改善することも多くあります。

気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。