前立腺がん
前立腺がんとは?
前立腺がんは、前立腺に発生するがんで、高齢の男性に多くみられます。
日本でも患者数は増加しており、現在では男性のがんの中で最も多いと言われています。特に65歳以上で多くみられます。
進行は比較的ゆっくりで、早期に発見できれば良好な経過が期待できます。近年はPSA検査の普及により、早期に見つかるケースが増えています。
PSAとは?
PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺から分泌されるタンパク質で、血液検査で測定できます。
前立腺がんがあるとPSA値が上昇することがあるため、前立腺がんのスクリーニング(早期発見)に広く用いられています。
一般的にはPSAが4.0 ng/mL以上の場合に精密検査が検討されますが、年齢や推移も重要な判断材料となります。
PSAが高いと言われたら
PSAが高い場合でも、必ずしも前立腺がんとは限りません。
- 前立腺肥大症
- 前立腺炎
- 加齢
- 射精や運動などの影響
でも上昇することがあります。
そのため、1回の数値だけで判断せず、再検査や経過(PSAの変化)を確認しながら評価することが重要です。
前立腺がんの原因・リスク
前立腺がんの発症には以下のような要因が関係しています。
- 加齢(最も重要な因子)
- 家族歴(近親者にいる場合リスクが約2倍)
- 肥満や高脂肪食などの生活習慣
- 遺伝的要因
などが関与する場合もあり、一部では発症リスクが高いことが知られています。
前立腺がんの症状
早期の前立腺がんは自覚症状がほとんどありません。
進行すると以下のような症状がみられることがあります。
- 尿が出にくい
- 頻尿
- 血尿
- 腰や背中の痛み(骨転移による)
症状が出てからでは進行していることが多いため、健診での発見が重要です。
前立腺がんの検査
PSA異常を指摘された場合は、段階的に検査を進めます。
血液検査(PSA再検)
まずはPSAの再検査を行い、一時的な上昇でないかを確認します。
腹部超音波検査(エコー検査)
前立腺の大きさや形、残尿量などを評価します。
※早期の場合、がんそのものを直接確認できないことも多いですが、前立腺の状態や他の病気(前立腺肥大症など)の評価に有用です。
MRI検査
前立腺内のがんが疑われる部位を評価します。
近年はMRIで生検の必要性を判断することも増えています。
前立腺生検
前立腺に針を刺して組織を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を調べます。
確定診断に必要な検査です。
前立腺がんの進行とリスク分類
前立腺がんは、進行度(広がり)と悪性度によって分類されます。
- 前立腺内にとどまる(限局がん)
- 周囲に広がる(局所進行)
- 遠隔転移(骨など)
また、PSA値や組織の性質(グリソンスコア)などをもとに、低・中・高リスクに分類し、治療方針を決定します。
前立腺がんの治療
進行度や年齢、全身状態に応じて治療を選択します。
経過観察(監視療法)
進行が非常にゆっくりな低リスクがんでは、すぐに治療を行わず、定期的にPSAや検査で経過をみる方法です。
手術療法
前立腺を摘出する手術です。
現在はロボット支援手術が主流で、低侵襲で行われることが多くなっています。
放射線治療
体の外から照射する方法や、前立腺内に放射線源を入れる治療があります。
ホルモン療法
男性ホルモンの働きを抑えることで、がんの進行を抑えます。
進行がんや転移がある場合に重要な治療です。
ホルモン治療以外の薬物療法(進行例)
ホルモン療法に加え、新しい内服薬や抗がん剤を組み合わせて治療を行うことがあります。
予後について
前立腺がんは早期に発見された場合、非常に予後が良いことが知られています。
限局がんでは5年生存率はほぼ100%とされており、適切な治療により長期的なコントロールが可能です。
そのため、早期の発見が重要になります。
まとめ
前立腺がんは高齢男性に多いがんですが、PSA検査により早期発見が可能な疾患です。
PSAが高い=すぐにがんというわけではありませんが、見逃さないためにも適切な検査が重要です。
健診で異常を指摘された場合は、そのままにせず一度ご相談ください。