尿路結石
尿路結石とは?
尿路結石は、腎臓から尿道までの「尿の通り道(尿路)」に石(結石)ができる病気です。できる場所によって、腎臓や尿管にできる「上部尿路結石」、膀胱や尿道にできる「下部尿路結石」に分けられます。
突然の強い痛みを引き起こすことがある一方で、無症状のまま見つかることもあり、症状の出方はさまざまです。
男性に多くみられ、生涯で男性の約10〜15%、女性の約5〜10%が経験するといわれています。また、一度できると再発しやすく、5年以内に約30〜50%が再発するとされています。
尿路結石の原因
尿路結石は、尿の中に含まれる成分が固まって結晶となり、それが徐々に大きくなることで形成されます。
主な結石の種類
尿路結石の多くは以下の成分からできています。
シュウ酸カルシウム結石
最も多く、全体の約70〜80%を占めます。
リン酸カルシウム結石
尿がアルカリ性に傾くことで形成されます。
尿酸結石
尿酸値が高い場合や、尿が酸性に傾くことでできやすくなります。
感染結石(ストルバイト結石)
細菌感染が関与して形成されます。
まれに、遺伝的な体質が関係する結石(シスチン結石)もあります。
尿路結石の主な症状
結石の場所によって症状が異なります。
上部尿路結石(腎臓・尿管)
突然の激しい痛み(疝痛発作)が特徴です。
- 横腹や背中の激しい痛み
- 下腹部や足の付け根、精巣への放散痛
- 血尿(目に見えないものも含めると多くの方にみられます)
- 場合によっては、吐き気や嘔吐
痛みは波のように強くなったり弱くなったりするのが特徴です。
下部尿路結石(膀胱・尿道)
排尿に関する症状が中心となります。
- 排尿時の痛み
- 頻尿や尿意切迫感
- 尿が途中で途切れる
- 血尿
特に男性では、前立腺肥大症などで尿の流れが悪いことが原因になることがあります。
注意が必要な症状
以下のような症状がある場合は、早急な対応が必要です。
- 発熱を伴う強い痛み
- 尿が出にくい、または出ない
- 強い全身のだるさ
結石によって尿の流れが完全に塞がれ、さらに感染を伴うと「閉塞性腎盂腎炎」となり、重症化することがあります。この場合は緊急での治療が必要です。
尿路結石の検査
診断は画像検査を中心に行います。
画像検査
超音波検査(エコー)
腎臓の腫れ(腎盂拡張)や大きな結石の評価に有用です。
レントゲン検査
カルシウムを含む結石は写ることがあります。
CT検査(非造影CT)
上記検査で診断がつかない際に施行することがあります。最も正確な検査で、ほとんどの結石を確認できます。
尿検査・血液検査
血尿の有無や感染の有無を確認します。
腎機能や尿酸値、カルシウム値なども評価します。
結石分析
排出された結石の成分分析を行い、再発予防に役立てます。
尿路結石の治療
結石の大きさや場所、症状の程度によって治療方法を選択します。
痛みの治療(急性期)
痛みが強い場合は、鎮痛薬(NSAIDsなど)を使用します。
自然排石・排石促進療法
比較的小さい結石(5〜10mm以下)の場合は、自然に排出されることがあります。
- 水分をしっかり摂る
- α1遮断薬(本邦では保険適応外)を使用して排石を促す
手術療法
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
体の外から衝撃波を当てて結石を細かく砕き、尿と一緒に自然に排出させる治療です。
皮膚を切らずに行えるため、比較的体への負担が少ないのが特徴です。
ただし、結石の硬さや場所によっては砕けにくく、複数回の治療が必要になることがあります。
経尿道的尿管砕石術(TUL)
尿道から内視鏡(細いカメラ)を挿入し、腎・尿管内の結石を直接確認しながらレーザーで砕く治療です。
砕いた結石はその場で回収したり、細かくして自然排出させます。
経皮的腎砕石術(PNL)
背中側から腎臓に細い通路を作り、そこから内視鏡を入れて結石を砕いて取り出す治療です。
比較的大きな腎結石(2cm以上)に対して行われます。
他の方法では取り切れないような大きな結石にも対応できるのが特徴です。
膀胱結石の治療
膀胱にできた結石は、尿道から内視鏡を入れて砕石・除去を行います。
緊急での処置が必要な場合
結石によって尿の流れが完全に塞がれ、さらに感染を伴っている場合は緊急対応が必要です。
- 尿管ステント留置(尿の通り道を確保するための細いチューブ)
- 腎瘻(腎臓から直接尿を出す管)
これらにより、まず尿の流れを確保し、感染をコントロールします。
結石の種類に応じた治療
結石の成分によって、再発予防や治療方針が異なります。
尿酸結石
尿をアルカリ性に保つ薬を使用します。
感染結石
感染の治療と結石の完全除去が重要です。
特殊な結石(シスチン結石など)
水分摂取や専用の薬剤が必要になります。
再発予防が重要です
尿路結石は再発しやすい病気です。日常生活での予防がとても大切です。
- 水分をしっかり摂る(尿量2〜2.5L/日以上)
- 塩分を控える
- 動物性たんぱく質の摂りすぎに注意
- カルシウムは適度に摂取する
体質に応じて、内服薬で再発予防を行うこともあります。
まとめ
尿路結石は突然の強い痛みを引き起こすことがある一方で、適切な治療により改善が期待できる病気です。
また、再発を防ぐためには生活習慣の見直しや継続的な管理が重要になります。
「急な腰の痛み」「血尿」「排尿時の違和感」などの症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。