精索静脈瘤

精索静脈瘤とは?

精索静脈瘤とは、精巣から心臓へ戻る静脈(精索静脈)が拡張し、血液がうっ滞する病気です。

陰嚢の中で血管がこぶのように膨らみ、「ミミズが袋の中に入っているよう」と表現されることもあります。

思春期以降の男性に多くみられ、男性の約15%に認められるとされています。不妊の原因の一つとしても重要な病気です。

精索静脈瘤の原因

精索静脈瘤は、静脈の逆流を防ぐ弁の働きが弱くなり、血液が逆流することで発生します。

特に左側に多く(約80〜90%)、これは解剖学的に左側の静脈の流れが影響を受けやすいためと考えられています。

まれに右側のみの場合は、他の病気が隠れていることもあるため注意が必要です。

精索静脈瘤の主な症状

多くの場合は無症状ですが、以下のような症状がみられることがあります。

  • 陰嚢の違和感や重だるさ
  • 長時間の立位や運動後に悪化する不快感
  • 陰嚢の腫れや血管のふくらみ

また、不妊の検査をきっかけに見つかることも多いです。

精索静脈瘤と不妊の関係

精索静脈瘤があると、精巣周囲の環境が悪化し、精子の質に影響を与えることがあります。

  • 陰嚢の温度が上昇する
  • 血流のうっ滞による酸素不足
  • 精子のDNAへの影響

などにより、精子の数や運動率の低下につながると考えられています。

そのため、男性不妊の原因として重要な疾患です。

精索静脈瘤の検査

診断のために以下の検査を行います。

問診・診察

陰嚢の触診により、静脈の拡張を確認します。立った状態で診察することも重要です。

超音波検査(エコー)

静脈の拡張や血流の逆流を確認します。診断に有用な検査です。

精液検査(必要に応じて)

精子の数や運動率などを評価し、不妊への影響を確認します。

必要に応じて、他の病気が疑われる場合は追加検査を行うこともあります。

重症度について

精索静脈瘤は程度によって分類されることがあります。

  • 軽度(grade1): いきんだときに触れる程度
  • 中等度(grade2): 触るとわかるが見た目では分からない
  • 重度(grade3): 見た目でもわかる

症状や検査結果をもとに、治療の必要性を判断します。

精索静脈瘤の治療

症状の程度や不妊の有無に応じて治療方針を決定します。

経過観察

症状が軽く、精液所見に問題がない場合は、経過観察となることもあります。

手術療法

症状がある場合や、不妊の原因となっている場合に検討されます。

精索静脈瘤結紮術

拡張した静脈を縛って逆流を防ぐ手術です。顕微鏡下手術は、細かい血管やリンパ管を確認しながら行う方法で、再発や合併症が少ないとされています。

その他、カテーテルを用いた治療(血管内治療)などが行われることもあります。

手術により、精子の数や運動率の改善が期待でき、不妊症の方では自然妊娠の可能性が高まることも報告されています。

注意が必要なポイント

以下のような場合は受診をおすすめします。

  • 陰嚢の違和感や腫れがある
  • 血管のふくらみが気になる
  • 不妊が気になる

また、右側のみの発症や急に症状が出た場合は、他の病気の可能性もあるため注意が必要です。

まとめ

精索静脈瘤は比較的よくみられる病気であり、多くは無症状ですが、不妊の原因となることがあります。

適切な診断と治療により改善が期待できるため、気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。