CPAPって一生つけるの?治療を始める前に知っておきたいこと

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査を受けて、

「CPAPを勧められたけれど、どんな治療?」
「毎晩つけないといけないの?」
「一度始めたら一生やめられない?」
「マスクをつけて眠れるか心配」

と不安に思う方も多いと思います。

CPAP(シーパップ)は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する代表的な治療です。

今回は、CPAPの仕組みや効果、どのくらい続けるのか、治療中に困ったときの対応などについて分かりやすく解説します。

CPAPとはどんな治療?

CPAPは「Continuous Positive Airway Pressure」の略で、日本語では「持続陽圧呼吸療法」と呼ばれます。

睡眠中に鼻などにマスクを装着し、機械から空気を送り込むことで、空気の通り道である気道が塞がらないようにする治療です。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、眠っている間に舌や喉の周囲が落ち込み、気道が狭くなったり塞がったりします。

CPAPは、空気の圧力で気道を内側から支えることで、睡眠中の無呼吸や低呼吸を防ぎます。

CPAPを使うと何が改善するの?

CPAPを適切に使用すると、睡眠中の無呼吸・低呼吸を減らすことができます。

その結果、睡眠の質が向上し、日中の眠気・熟睡感の低下などが改善することがあります。

高血圧を合併している方では、血圧に良い影響を与える場合もあります。

ただし、CPAPを使用すれば心筋梗塞や脳卒中などを必ず予防できる、という意味ではありません。

まずは睡眠中の呼吸障害をしっかり改善し、質のよい睡眠を確保することが大切です。

CPAPは毎晩つけるの?

基本的には、眠るときに継続して使用します。

CPAPは病気そのものを取り除く薬や手術ではなく、使用している間に気道を開いて無呼吸を防ぐ治療です。

そのため、CPAPを外して眠ると、もともとの睡眠時無呼吸が再び起こることがあります。

治療効果を十分に得るためには、できるだけ毎晩、睡眠中にしっかり使用することが大切です。

CPAPを始めたら一生やめられない?

「CPAPを始めたら、一生やめられないのですか?」

という質問はよくあります。

CPAPは原則として継続して使用する治療ですが、始めたら必ず一生続けなければならない、という意味ではありません。

例えば、

・大幅に体重が減った
・耳鼻咽喉科的な治療を受けた
・マウスピースなど別の治療を行った
・体格や病状が大きく変化した

といった場合には、SASの程度そのものが変化することがあります。

その場合には、必要に応じて睡眠検査を行い、CPAPを今後も続ける必要があるか再評価することがあります。

一方で、症状が良くなったからといって自己判断でCPAPを中止することはおすすめできません。

「調子がいいからCPAPをやめても大丈夫」ではありません

CPAPを使い始めると、

「昼間眠くなくなった」
「朝すっきり起きられるようになった」
「家族からいびきを指摘されなくなった」

という変化を感じる方もいます。

これはCPAPが効いている可能性があります。

しかし、「症状がなくなった=SASが治った」ということではありません。

CPAPによって無呼吸が抑えられているため症状が改善している場合もあります。

治療を中止できる状態かどうかは、必要に応じて睡眠中の呼吸状態を再評価して判断します。

マスクをつけて眠れるか心配です

CPAPを始めたばかりの頃には、

「マスクが気になる」
「空気が強く感じる」
「鼻や口が乾く」
「空気が漏れる」

などの違和感が出ることがあります。

こうした問題は、マスクの種類やサイズ、装着方法、加湿などを調整することで改善できることがあります。

最初から完全に慣れる必要はありません。

「合わないからやめる」と自己判断せず、困っていることを相談しながら続けやすい方法を探していくことが大切です。

CPAPはデータを確認しながら管理します

現在のCPAP機器では、治療中のさまざまな情報を確認できます。

例えば、

・1日にどのくらい使用しているか
・治療中に無呼吸や低呼吸がどの程度残っているか
・マスクから空気が漏れていないか
・治療に使用されている圧力

などです。

そのため、CPAP治療は単に「機械を使ってもらうだけ」の治療ではありません。

症状とCPAPのデータを確認しながら、治療が適切に行えているかを継続して管理していくことが重要です。

当院でも、CPAP導入後は使用状況や症状を確認しながら継続して管理します。

CPAPは保険診療で受けられる?

睡眠時無呼吸症候群と診断され、検査結果などが保険診療上の基準を満たす場合には、CPAP治療を保険診療で行うことができます。

実際にCPAP治療の対象になるかどうかは、簡易検査や必要に応じた精密検査の結果、症状などを確認して判断します。

CPAP治療を開始した後も、定期的な受診で治療状況を確認していきます。

CPAPは「続けられること」も大切です

CPAPは、適切に使用することで睡眠中の無呼吸をしっかり抑えることができる治療です。